News
会員
サービス
とは?

THE INTERVIEW

Current state of the Japanese toy market


『月刊トイジャーナル』編集長
藤井 大祐(ふじい だいすけ)
 国内の玩具市場は5年連続で前年を上回り、2023年度に初めて1兆円を超え、2024年度も前年度比107.9%と大きく伸長した。少子化のなかで、その好調要因となっているのはキダルト市場の拡大とインバウンド消費だが、それを牽引しているのは日本のキャラクターだ。とはいえ、今後も成長を続けるためには課題も少なからずある。今回のTHE INTERVIEWでは、100年以上に渡り玩具市場の情報を発信してきた業界誌『トイジャーナル』編集長の藤井大祐氏に、玩具市場の現状と今後の課題について聞いた。 
 
BEYBLADE X(ベイブレードエックス)シリーズ/Tamagotchi Paradise
BEYBLADE X(ベイブレードエックス)シリーズ/Tamagotchi Paradise

より幅広い商品ジャンルにまで 
キダルトは進行 



――(編集部)100年以上の歴史がある『トイジャーナル』ですが、どのような成り立ちでできた業界誌なのですか?

藤井 現在の『トイジャーナル』の母体となっている東京玩具人形協同組合が今から130年以上前にでき、その組合で同業に対して情報を発信しようということで、『東京雛玩具商報』という新聞形式の会報紙をつくりました。それからしばらくして『東京玩具商報』に名前が変わり、現在の『トイジャーナル』になりました。当然、戦争中は中断したときもあったのですが、それを除いてずっと続いている業界誌です。発刊は明治36年ですので、表紙を吉徳さんの節句人形が飾ったり、またその当時、明治政府ができて、富国強兵で子どもの教育に力を入れていこうという風潮もあり、教育玩具が紙面に掲載されていたりと、当時から多彩な記事や商品を扱っていました。 

――それだけ玩具産業は歴史が長いということですね。 
 
藤井 玩具が産業として成り立つのは江戸時代からですが、そこから現在に至るまで脈々と続いているわけです。 
 
――そういう意味では、当時と比較すると現在の玩具市場は隔世の感があると思います。24年度の市場規模は1兆992億円と2年連続で1兆円を超え、5年連続で前年を上回っています。この好調の要因をどのように見ていますか? 
 
藤井 おっしゃるように玩具市場は、キダルト商材や、いわゆるインバウンド需要が伸びたことによって、少子化のなかでも右肩上がりで伸び続けています。ただ業界全体でいえば、その実感は伴っていません。小売店さんや業態によって凸凹があって、いわゆるキダルトやインバウンド需要を取り込めているほうが少ないという現状もあります。そういう意味では、市場規模としては伸びていますが、それは川上の部分であり、それ以外は厳しい状況が続いているというのが実際ですね。 
 
――玩具市場も裾野が広いので、例えば子どもに向けた商材だけを作っているようなメーカーさんは厳しかったということでしょうか? 
 
藤井
 ただ子ども向けが中心の「知育・教育」玩具も市場としては堅調に推移しています(前年比101.3%)。そういう意味では、「知育・教育」においてもヒット商品さえ出せれば市場として伸びる可能性はまだまだあると思います。昨年は「パウ・パトロール」が好調でした。 
 
――キダルトは、どの商品分野に影響を与えているのですか? 
 
藤井 一昨年くらいから“キダルト”という言葉が注目され始めましたが、昨年の特徴は、その需要がこれまで以上に幅広い商品ジャンルに広がったということです。例えば、その最たるっジャンルは「ポケモンカード」や「遊戯王カード」など「トレーディングカード」ですが、「ジグソーパズル」もある意味でキダルト層に受け入れられていますし、「ハイテク系トレンドトイ」でも「Tamagotchi original」は、大人層にも売れました。また「ドール」に関しても「シルバニアファミリー」や「リカちゃん」は大人向けにも商品を出していますし、「ぬいぐるみ」も今は大人が中心です。「知育・教育」に関しても、例えばブロックなどは一部の大人に売れていると考えると、より幅広い商品ジャンルにまでキダルトは進行しつつあるということだと思います。 
 
――「ホビー」などはほぼキダルトですからね(笑)。“キダルト”というコトバは、日本では玩具で使用されることが多いですが、もともとはどういう経緯で使われるようになったのですか? 
 
藤井 キダルトはおそらく世界的な流れで、欧米でもそうした商品を出している企業は多いのですが、『トイジャーナル』で初めて“キダルト”という言葉が出てきたのは2001年です。トイザらスさんが当時言われていたのですが、やはり欧米のほうから“キダルト”という考え方や言葉が始まって、それがコロナ禍以降、日本でも注目されるようになったのだと思います。 
 
――玩具業界ではキダルトをどのように定義されているのですか? 
 
藤井 これは難しいのですが、現在、キダルト層に人気の玩具は2つの種類があります。例えば、玩具業界は昔からあるブランドが結構多い。「トミカ」、「プラレール」、「リカちゃん」、「ルービックキューブ」もそうですし、「シルバニアファミリー」もロングセラーです。こういった昔からあるロングセラーブランドは、やはり子どもの時に今の大人層が遊んでいたわけです。そんななかで、働き方改革が叫ばれ、さらにコロナ禍で余暇の時間もでき、昔遊んでいたシルバニアファミリーを集めてみようか、カードゲームを集めてみようか、という流れが加速しました。いわゆる回帰層による消費ですね。 
もう1つは“ガンプラ”に代表されるように、完全にメーカーが大人向けに作り、それを大人が購入して遊ぶというものです。ですので、ひと言でキダルトと言っても、さまざまな商品があります。 
 
――ホビーやカードゲームに代表されるように、キダルト層は男性のイメージが強いのですが、男女の違いはありますか? 
 
藤井 キダルトの走りと言ってもいいと思うのですが、「ガチャガチャ」や「カプセルトイ」は結構大人が買っていて、これも市場を伸ばしています。2024年度は2023年度比で130%、910億円の市場となりましたが、その6~7割が女性です。“ぬい活”や“推し活”などを楽しんでいるのも女性層が多いですし、「シルバニアファミリー」などの人気も大人の女性層が牽引しています。SNSにアップして共感を得たいという行動は女性が多いと思います。ホビーやカードゲームは確かに男性が中心ですが、それ以外は女性も多いですね。 
 
――“推し活”もキダルトの行動の1つと考えていい? 
 
藤井 そうですね。今の大人たち、だいたい20~60代ぐらいまでの人たちはおそらく子どもの時からおもちゃやアニメ、ゲームで遊んでいた世代なので、そういうもので遊ぶという行為に対してのハードルも低い。さらにそれを人に見せたい、自分が好きなものについてアピールしたいという承認欲求も結構旺盛です。昔だと、オタクだと思われたくないということもありましたが、今はそんなことはないので、 “ぬい活”や“推し活”というかたちでSNSに上げ、自分の好きなものを周りと共有したいというのは大人でもあります。従って“推し活”もキダルトの楽しみ方の1つになっていると思います。 
 
――確かにキダルトという大きな概念のなかに“推し活”も含まれている感じがしますね。 
 
藤井
 ホビーなどに関しては、自分で作ったり、こだわって塗装をしたりするところに楽しみを見出していると思いますし、シルバニアファミリーなどはコレクションをする楽しさ、ぬいぐるみは一緒にいろいろなところに行って写真を撮ってそれを共有する楽しさなど、大人層ではいろいろな楽しみ方があります。最近では、仮面ライダーのベルトを着ける大人もいて、そういう人たちはイベントに行って楽しんでいます。本当に多様な楽しみ方を大人の人たちはしているわけです。 


キダルトで人気なものは 
インバウンドでも人気 


 
――だいぶ世の中変わりましたね(笑)。もう1つインバウンドも市場拡大の大きな要因だと思いますが、どのようなものが売れているのでしょうか? 
 
藤井 コロナ禍前のインバウンドでは、いわゆる和物ですとか、和柄のジグソーパズルなどが結構売れていたのですが、最近のインバウンドでは日本らしいキャラクターの商品を日本で買いたいという人たちが大半です。ご存知のように、コロナ禍で外出を自粛する中で動画配信を見て日本のアニメが好きになったという人がこれまで以上に増え定着してきていますが、そうした人たちがコロナ禍を経て日本に来れるようになって、聖地巡礼ではないですが、日本に来て日本のキャラクター商品を買っていくという消費行動が目立ちます。 
 
――そうすると、いわゆる日本人が買っているものと同じようなものが売れているわけですね。 
 
藤井 そうです。なかでも安くて小さくて持ち帰りがしやすくてバラ撒けるようなキャラクターの商品が結構売れています。リーメントさんのフィギュアなども人気ですし、もちろんカプセルトイも人気です。ですから、海外の大人が買っていくわけですから、キダルトとインバウンドは被っていて、キダルトで人気なものはインバウンドでも人気というわけです。 

――最近の玩具のトレンドをどのように感じていらっしゃいますか? 
 
藤井 例えば、2014年あたりでは「妖怪ウォッチ」のヒットがあり大人も子どもも夢中になって商品を買っていました。またちょっと前には「鬼滅の刃」に子どもたちがわっと行くみたいな流れがあったわけですが、それが若干薄れつつあって、分散傾向になっています。 
今人気のおもちゃは何ですか?と聞かれれば、一番はやはり「ベイブレードX」だと思いますし、「Tamagotchi Paradise」もとても売れています、と答えますが、ただ今年に限って言えば、「NINTENDO SWITCH2」の影響もあるので、この人気がどうなっていくかは分かりません。 
ですから、ヒット商品はあることはあるのですが、市場を牽引するようなそこまで大きなヒットになっている商品はなく、若干分散型になっているのが今だと思います。 
 
――子どもたちの間でも同じような傾向なのですか? 
 
藤井
 子どもたちはやはり「ベイブレードX」なのですが、ただそれだけではなく、カードゲームをやっている子もいるし、NINTENDO SWITCHをやっている子もいる。どれがおもちゃ業界で人気なのかと言われれば「ベイブレードX」なのですが、それ以外を大好きな子どもたちがいっぱいいるような状況が今です。 
おもちゃ業界は、夏休み商戦がちょっと厳しかったんですね。ですから年末年始商戦に向けて、小売店は何が売れるのかドキドキしながら商品を仕入れていると思います。 
 

――夏休み商戦が厳しかった理由は猛暑の影響もあるのですか? 

藤井
 天候の影響もあるとは思いますが、やはり「NINTENDO SWITCH2」の影響も大きかったのではないかと思いますし、あとはヒット商品不足ですね。「ベイブレードX」と「Tamagotchi Paradise」以外ではこれといったものがなく、価格的にも「Tamagotchi Paradise」は簡単に買えるものでもないので、そういった意味でもちょっと厳しかったですね。
 もう1つはカードゲームが去年と比較するとちょっと落ちているんです。去年まではそれこそ異常なぐらい「ポケモンカードゲーム」が売れていたのですが、今年に入って若干その勢いが落ちてきています。去年、例えばカードゲームで実績を作ったお店は、昨対でみると、数字を落としており、それを補うような商品が無かったのが影響していると思います。

―カードゲームが落ち着いてきているのは気になりますね。 
 

藤井 転売対策もあり、去年の秋あたりから各メーカーが商品を潤沢に出すようになってきました。商品が潤沢に回るようになってくると、流行りもだんだん抑えられてきて、勢いが若干落ちているという影響もあると思います。 
 
――これから年末年始商戦に入ると思いますが、今年はどんなところに注目されていらっしゃいますか? 
 
藤井 今は基本、夏休み商戦、年末商戦はつながっています。メーカーは夏休み商戦に出してだいたい感触をつかんでから、年末に向けて数出しをして進むのですが、そう考えると「ベイブレードX」と「Tamagotchi Paradise」が今年は非常に売れると思います。 
各メーカーに話を聞いてみると、基本的には昨対以上の仕込みはすると言っているので期待はしてはいるのですが、不確定要素としては「NINTENDO SWITCH2」の影響がどこまで出るのか。ある程度本体のほうも行き渡りつつあるなかで、ソフトのほうに流れてしまう可能性も考えなければいけないと思います。厳しい商戦にはなりそうですが、何とか昨対を超えることができるかどうかという感じだと思います。


今日本のおもちゃメーカーは
商品開発力の弱さが課題



――「ベイブレード」は周期ごとに必ず流行りますね。 
 
藤井
 あの遊び自体がやはり子どもたちが根本的に好きな「ベーゴマ」であることは大きいですね。またタカラトミーさんの仕掛けが上手です。子どもたちがやりたくなるように、カスタマイズができ、対戦ができ、自分の技術的なところも少し要求される。 
これは日本だけの傾向ではなくて、世界の子どもたちや大人にも非常に受け入れられています。遊びとしての本質をついている商品が「ベイブレード」ではないかと思いますね。 
 
――確かに「遊び」として普遍的な商品ですね。ただ「Tamagotchi」もそうだと思いますが、消費者を吃驚させるような新しいヒット商品が生まれていないような気がします。 
 
藤井 まさにそうなんです。ですから、今年のおもちゃ大賞を見渡してみても、ほぼ大半がキャラクターIPの商品であって、多くがそれこそ昔からあるブランドのいわゆる最新版です。これまでなかったような全く新しいものがない。これは憂慮すべきことだと思います。例えば少し前ですが、海外ではサプライズトイなど、全く新しい、これまでなかったようなものが生まれているわけです。今日本のおもちゃメーカーは商品開発力の弱さが課題になっていると言っていいと思います。 
 
――ただ日本でも昔は「Tamagotchi」を開発したように、全く新しい発想の商品を生み出していました。 
 
藤井 例えば海外では、1つヒット商品を作れば、もうそれだけで家が建つような、いわゆる企画開発者に対するリスペクトが日本よりも全然高く、そういう状況のなかで新しいものを作っていこうというモチベーションが非常に高いんです。一方、日本ではどんなアイデアを企画会議に出しても売れるかどうか分からないモノに対してなかなか投資ができない。だったらすでに売れているブランドの新しい商品を出したほうがいいだろうという、新しいものがなかなか生まれにくい土壌になっているということもあります。 
 
――そんな状況のなかで企画会社の人たちはどうしているのですか? 
 
藤井 今、日本の企画開発会社の人たちは、日本の企業とやりとりだけではなく、海外メーカーとの取引に目を向けています。企画アイデアを持って、欧米をはじめ、最近一番多いのは中国のメーカーに持っていっていますね。なかなか日本のおもちゃ会社から新しいものが出にくくなっているのは大きな課題だと思います。 
 
――他の産業でもそうですが、優秀な人材やアイデアの海外流出は残念ですね。一方で、キャラクターもそうですが、歴史のあるブランドを長年に渡って育てることができる商品開発力は素晴らしいとも思っています。 
 
藤井 そうですね。これまでのブランドのなかから新しいものが生まれますし、キャラクターのなかでも誰もが欲しくなるような商品が生まれていますからね。 


キャラクターを使った商品を 
伸ばしていく 



――少子化で子ども人口が減少しているので大人に向けて展開するというのは理にかなっているとは思いますが、今後を見据えると海外展開の強化が重要ではないかと思います。 
 
藤井 そうなんです。海外に目を向ければ、おもちゃど真ん中の世代は20億人ぐらいいて一番多い世代であり、まだまだ市場拡大の可能性は広がっています。そうすると、今後、おそらく日本のメーカーは、海外のメーカーとの競争になってくる。その時に日本の強みはキャラクターですから、キャラクターを使った商品を伸ばしていく、あるいはこれまでなかったような新しいものを1から作り出してそれで勝負していく、そういった戦いに今後はなっていくと思います。 
 
――現在、日本の玩具の海外における市場規模すら分かっていませんよね? 
 
藤井 ほとんどないです。例えばエポック社さんはもうグローバル企業ですから、海外では日本以上の売上になっていると思いますし、ハナヤマさんなども「はずる」という商品は国内も海外も非常に大きくなっています。ただそれでも日本のメーカーの存在感は海外市場ではまだまだです。日本のトップメーカーであるバンダイさんやタカラトミーさんであっても海外市場でみるとマテルやハズブロ、レゴなどと比べると全然小さい。まだこれからですよね。 
例えばブラジルなど、いわゆる新興国といったところを含めると、まだまだ市場拡大の可能性はあると思います。 
 
――海外展開するうえでの課題はやはり流通ですか? 
 
藤井 流通の課題は大きいですね。あとは日本の場合は、キャラクター商品が多いわけですが、キャラクターはだいたい昔からテレビ番組とセットで、その連動がうまく行かない。最近は動画配信があるので状況は変わってきていると思いますが、そうしたキャラクター・マーチャンダイジングの面での海外展開の難しさがあります。 
あとは安全基準での日本との違い、それから市場価格ですよね。日本で作ったものはどうしても価格が高くなってしまう。日本のおもちゃは、過剰な機能、過剰な付加価値をつけて、過剰な値段で売っているものが多いので、それを海外で売るとなかなか高すぎて、特に発展途上国では上流階級しか買えない。広げていくためにはもっと機能を落として安くして安全にして、なおかつ面白いものを展開していかなければならない。そういったさまざまな難しさが国ごとに違っているのでなかなか難しいですね。 
 
――日本の玩具の安全基準は海外とは全然違うのですか? 
 
藤井 そんなことはなく、日本の玩具の安全基準は非常に高いのですが、国によっては一部基準に達していないこともあり、またこの素材は使えないなど、国ごと、地域ごとに合わせていかなければいけない。 
あと、例えばカプセルトイに関しても、くじ引き的な射幸心を煽るような売り方はだめですよという国も結構あり、また日本だと100円玉を入れるわけですが、値段に合ったコインがないのでトークンを買って、トークンで回すような売り方をしなければならないなど、日本のようには展開できないことも多々あります。


日本のキャラクターが 
これまで以上に重要に 



――最後に今後も玩具市場が成長していくためにクリアしていかなければいけない課題についてお聞きできればと思います。 
 
藤井 
一番は、おもちゃの市場規模は伸びているのですが、日本の子ども市場は小さくなっているので、そのなかでおもちゃメーカーはどう立ち振る舞うのかが課題です。1つは年齢層の拡大です。今はキダルトと言われていますが、それをさらに広げてオールターゲット――赤ちゃんからシニア層までに向けてどういったことができるのかというのは、多分重要になってくるでしょう。 
あと一番は先ほどから言っている海外市場に向けてどう進めていくのかが最大の課題になってくると思いますね。日本のおもちゃ業界が世界で戦っていくためにはどういったことをしていかなければならないのかを考えないといけない。 
そんななかで、特に日本発のキャラクターがたぶん力を発揮していくことになると思うので、それをどう玩具に落とし込んでいくのかが重要になってくると思います。言い換えれば、グローバルを目指すためには、日本のキャラクターがこれまで以上に重要になってくるということです。日本のキャラクターを使ったおもちゃは海外のメーカーも結構出しているので、それとは違った日本ならではのものを付け加えていかないといけないと思います。 
 
――中国の玩具メーカーなどは、日本のキャラクターをかなり使用していますからね。 
 
藤井 
今、中国の玩具メーカーはデザインや、アイデアの技術面などで、特に高いものを持っているので、世界市場で戦っていくうえでライバルとなっていくと思いますね。そういったメーカーとどう戦っていくのかも大きな課題ですよね。やっぱり玩具市場を広げていくためにどう立ち向かうのかというのは産業界として考えていかなければいけない。 
 
――確かに今年のおもちゃショーにも多くの中国メーカーが出展していました。 
 
藤井 
おもちゃショーというよりもIPショーというか、キャラクターショーのようになっています。それがいいのか悪いのかは別として、おもちゃも、いわゆる大人を取り込もうとするならば、数多くあるエンターテインメントの1つとしてどうその市場に食い込んでいくのか。それこそテレビゲームや映画、漫画、アニメなど、そういったものと肩を並べなければいけない。 
またモノよりコトみたいな体験重視もあるなかで、一番うまく展開しているのは、やはり「ベイブレードX」ですよね。大会といったコトを提供して、うまくやっています。 
 
――カードゲームもそうですね。世界中でいろいろな大会をやっています。 
 
藤井 
そういった活躍の場を提供することも玩具メーカーにとって必要だと思いますね。 
 
――一方でキャラクターにとっておもちゃはすごく大事で、キャラクター商品市場の3割以上はおもちゃが占めているわけです。 
 
藤井 
他のエンターテインメントと比べてかたちがあるものとして商品が出てくるので、キャラクターを実際に立体として触ったり、感触を確かめたりできるという意味では、玩具は子どもにとっても大人にとっても唯一無二の存在だと思います。キャラクターにとってもより魅力的なものを伝えられる存在として玩具はあると思いますね。 
 
――今後も日本のキャラクター玩具に注目していきます。本日は貴重なお話をありがとうございました。 
                     (収録日・2025年9月17日 東京玩具人形協同組合会議室にて)

藤井 大祐(ふじい だいすけ) 
1972年生まれ53歳。1998年に東京玩具人形協同組合のトイジャーナル編集局に入職後、業界誌記者として27年にわたって玩具業界の最新動向を伝え続けている。月刊トイジャーナルは1903年に創刊した120年以上の歴史を持つ玩具業界唯一の業界誌。  
 
2026/03/03  
  • < 前へ
  • 1
  • 次へ >

関連記事